亡くなられた方、すなわち被相続人が不動産を所有しておらず、現金や
有価証券だけの場合とは異なり、不動産を所有しているような場合、
相続で遺産分割をする作業は結構大変です。
何故なら、不動産は細かく分割することが難しいからです。
多くの場合、定められた相続配分により、遺産を配分するために不動産を
売却し、現金化して配分しようという提案が出されます。
そこで一番困る人は、相続財産となっている不動産に住んでいる相続人
と、そのご家族です。
最後までお婆様と一緒に住んでいたとか、そんなケースです。
場合によっては、相続分割により、長年住み慣れた家から退去しなければ
ならないこともあります。
居住用3000万円控除が利用できるとは言え、お金だけもらって、ハイ出て
行ってください・・・、と言われるのは正直辛いものがあります。
可能な限り、その相続人の住まいの部分だけ切り離し、残してあげたいもの
ですが、土地の形や道路付け、家の配置などで、そうそううまく切り離しが
できるケースは多くありません。
また、その切り離しができたとしても、全体を売却した場合の坪単価と、
切り離して残った土地の売却坪単価では、後者の方が安くなってしまう
ケースが多いのも事実だと思います。
そんな時、一番大事なのは、相続した不動産には住んでいない、他の
相続人たちの、温かい心遣いではないかと思っています。
民法は、ドライに判断すれば、金銭的に公平な配分基準を指示するもの
だとは思いますが、長年住みなれた場所を離れる・・という心の痛みや
寂しさを説いてくれるものではありません。
相続財産は、そもそも自分で稼いだお金ではない、そんな達観した気持ち
も持ちつつ、一番困ってしまうであろう相続人に対して、気遣ってあげて
戴きたいと思っています。