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「底地」という言葉は、業界用語かもしれません
「底地」は「貸し地」ですが、駐車場として貸している土地は「底地」とは言いません
「借地権」を設定して貸している土地を「底地」と言います
「借地権」は土地賃貸借契約で借りている権利ですので、
土地所有者である地主に無断で売却はできませんが、
「底地」は「所有権」ですので、売却は土地(底地)所有者の意思で自由にできます
「底地」にも色々な性格のものがあります
一軒だけの借地住宅が建っている「底地」もあれば、
沢山の借地住宅が建っている「底地」もあります
借地マンションが建っている「底地」もあります
平成4年に新設された「定期借地権」が設定されている「底地」もあります
借地期間50年が経過したら更地にして地主へ返還する住宅用の定期借地権
借地期間を20年と定め、20年後には更地にして返還する事業用定期借地権
借地の利用目的や借地の期間により、借地契約の種類・内容が決まります
本事例は「期間20年の事業用定期借地権が設定された土地(底地)」の売却です
土地面積は約2,000坪 借地権者は有名な「物販会社」でした
この底地の概要としては、土地の固定資産税が年間約500万円、地代収入が年間約4500万円
従いまして、その差額4000万円/年が底地(土地)所有者の純収入となります。
この底地の売却時において、定期借地契約の残存期間は約15年でしたので
借地人が地代を滞納しない限り、この底地を購入した方は、向こう15年間、毎年4000万円の純収入を期待できます
15年後には借地人が建物を解体し、更地にして返還する契約になっていますので
15年後にはきれいな更地約2000坪が、借地権設定のない「完全所有権」となって返ってきます
本件は売主(法人)の依頼で売却仲介し、大手仲介会社から紹介された買主が購入しましたが
このような底地の売買価格は次のような要因が大きく影響します
①年間地代4000万円は妥当な地代なのか?
⇒専門家による地代査定が4000万円を大きく外れると、売買価格も大きく変動します
②借地人の与信は十分か?
⇒向こう15年間、しっかり地代を払い続けることができる借地人かどうかは重要です
⇒借地人の与信が低いと底地価格も低くなります
⇒途中で借地人が破綻した場合、大きな建物を誰が解体するのか?という心配もあります
その場合、十分な敷金・保証金が確保されているかどうかも重要です
③途中解約のペナルティ
⇒買主は、向こう15年間の地代収入を期待して底地を購入しますので、
借地人からの途中解約に対するペナルティは大きいほど安心です
④15年後、約2000坪の土地に価値はあるか?
⇒例えば今後15年間で4000×15=6億の純収入が入る底地を6億円で購入したとしても
15年後に土地の価値が0円になってしまうようでは、底地を6億で買う意味はないでしょう
事業用定期借地権が設定された「底地」は、
①地代 ②借地人の与信 ③途中解約ペナルティ ④借地期間満了後の更地の価値
この4点が大きく価格に影響します