· 

実例「築30年のビル 有効利用か?売却か?」

このブログの内容は弊社JRSの実例です ご参考になれば幸いです

 

相談を受けたビルの所在は、名駅(名古屋では名古屋駅をメイエキと呼びます)エリアです 

新築された当初は、所有者(=相談者)である法人Aが自己使用していましたが、

弊社が相談を受けた時点では、X社(第三者法人)に一括(一棟まるまる)賃貸中でした

 

相談者(所有法人の総務担当)からの相談内容

①一括賃貸中であるが、ビルメンテに要する費用に対して賃料が低いと思うがどうか?

②このような場合、賃料はどこまで上げられるか?

③賃借人に退去してもらい建替?あるいは売却?どんな方法が良いのか?

 

相談を受けた時点での私の思考

①名駅エリアでビル賃貸に強い専門家にしっかりとした賃料査定をお願いする必要がある

②急激に賃料を上げた場合、賃借人には家賃を供託する手段がある

 ⇒法人A役員にも説明しなければ

③ビルが古くなりメンテ費用がかかる

 ⇒それだけでは賃貸人が賃貸借契約を解除する正当事由にはならない

〃建替の場合は建築費用と新賃料の関係を精査しなければならない

〃売却する場合、賃借人付で売却、空ビルとして売却、解体して土地で売却、それぞれ試算が必要

 

実際には、凡そ下記の流れで完結しました

①名駅エリアに強いビル賃貸の専門家に建物内も見てもらい、正確な賃料査定を実施

②相談者(役員含む)に対して、急激に家賃を上げても供託される可能性があることなどリスクを説明

〃賃借人X社の代表と面談し、専門家の家賃査定額を提示、期間を設けて少しずつ家賃値上げを示唆

〃第一段階として現行家賃の1割UPの賃料値上げとなった

③予期せぬ事態発生。賃料値上げを理由に賃借人から退去を申し出てきた。⇒空ビルとなる

〃リフォームして再度賃貸、建替して賃貸、空ビルで売却、解体して土地で売却 各選択肢を検討

〃土地有効利用の専門業者2社に建替事業スキームのプレゼンを依頼

〃 建替後の収入額が思ったほどではなく、空ビルとして売却を決定

〃大手仲介業者から紹介された買主と売買契約

 

本ブログ内「売却、まず誰に相談する?」でも書きましたが、

本件のような相談を仲介業者にした場合、

早々に「売却」する方向へ誘導されがちであることに注意してください

本件については、ご相談を受けた日⇒売却する方向に決定 まで9か月を要しています

 

保有したまま有効利用か? あるいは売却か?

このような選択を相談される場合は、

「相談者はいったい何を達成したいのか?」

ということから、しっかりと聞き出してくれて、

その上で、しっかりとした指針を与えてくれるような・・

そんな相談者をぜひ見つけてください