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「自宅はある」しかし「貯金がない」

JRS代表である私も還暦を過ぎましたので、「定年退職」という知人の近況をよく耳にします。

私と同じ世代は、そろそろ住宅ローンが完済し、養育費もかからなくなった年齢です。

人にもよるでしょうが、住宅ローンと養育費にお金を回してきた結果、

「自宅」という「固定資産」はあるが、「現金」という「流動資産」がない

そんな状態になっていることが少なくありません。

 

定年後もこれまでと変わらない収入を得られる人は少なく、

「再雇用」等で年収が半分以下になることも多いと聞きます。

それでも養育費がかからなくなり、住宅ローンが完済されていれば、

この先もそれほど変わらない生活ができるかもしれません。

 

ただ、住宅ローンの完済時期を65~70歳に設定している場合もありますので

定年後の収入が半減しますと、かなり生活費を切り詰める必要が出てきます。

 

昔、私のお客様で、定年退職後に住み替えされたAさんの話ですが・・

「我が家の土地・建物は、預金通帳みたいなものですよ」

Aさんはそんなことを言いながら、ご自宅の住み替えをされました。

 

売却された金額を100として、100のうち20を住宅ローン一括返済に充てる。

住み替え先の購入価格に50、残り30を今後の生活資金に充てる。

そんな計画を、ほぼそのまま実行されました。

 

少し都心から離れた場所にお住み替えされましたが、生活不便な場所ではありません。

ご夫婦お二人、笑顔がとても素敵だったのを今でも覚えています。

 

住み慣れた自宅に固執するよりも、この先の人生を明るく過ごすことの方が大事

そんなふうに考えますと、思い出が詰まった自宅から住み替えることも、

前向きに考えることができるのかもしれません