※本ブログは弊社JRSの実例です。
ご自身のケースに当てはめて月日を計算できるよう、相続開始日を2020年1月1日とし、
当時のお客様へお渡しした資料やご説明を、極力「手を加えずに」お伝えします。
【本ケースの状況説明】
90代のお父様がご他界 (相続開始日2020.01.01とします)
奥様は先立たれており、お父様は二人のお子様(Y様・M様)と3人で暮らしていた
二人のお子様は、相続された自宅を売却し、それぞれ新居の購入を希望
【本ケースの留意点】
自宅の相続評価につき、「小規模宅地等の特例」が税務署から否認されない売却スキームであること
【小規模宅地等の特例の適用要件】
要件① 相続開始時または相続開始前から利用(居住)していること
Y様、M様は相続開始前から居住していましたが、念のため住民票も確認
要件② 法定申告期限まで「所有・利用(居住)」を継続していること
本ケースでは2020年11月1日までY様とM様には居住を継続してもらうこと
【売却スキームに関する税理士からの指示】
※JRSでは、通常、異なる2名の税理士からの指示を仰ぎ、安全を図ります。
M税理士の意見 (税理士でありながら高級住宅地の地主でもある先生)
申告期限(11/1)前の不動産売買契約締結は問題ない。
ただし、必ず物件引き渡し日は申告期限(11/1)を超えた日にしてください。
K先生の意見 (都内の大御所先生)
税務上、不動産の売買計上日は「引渡し基準」なので、引き渡し日が申告期限後であれば、
売買契約日が申告期限前でも問題ありません。
ただ、例えば、申告期限日の翌日に引渡しをしたとなると、税務署の心象も悪く、
何かと突かれやすいので、引渡しは申告期限から1か月経過した頃が良いでしょう。
【確定した売買スキーム】
2名の税理士からの指示を受け、売却スキームを決めました。
売却活動は春には開始し、5月頃の売買契約締結を目途とする。
9月末までに新居を見つけ、購入契約できることが望ましい。
ただし、購入契約した新居の残代金支払いは12/1以降であること。
2020年12月1日までは転居せず、そのまま住み続ける
2020年12月1日までは住民票の異動はしない
【本ケースの気配り部分】
相続されたご自宅の買い替えの場合、「つなぎ融資」を利用する方法もあるのでしょうが、
ただでさえ相続がおきて大変な状況なので、極力、相続人に負担を掛けないスキームとしました。
1 ご自宅の売却残代金を受領
2 Y様、M様それぞれ新居の購入残代金を支払う
3 Y様、M様それぞれ新居へのお引っ越し完了
4 ご自宅を買主へ引渡す
つまり、「物件引き渡し日」を「残代金支払日の2週間後」とする売買条件でした。
【本ケースにおける「小規模宅地等の特例」の適用効果】
本ケースの土地面積は約400㎡、路線価は510,000円/㎡ でした。
従いまして、特例の適用がない場合、土地の相続評価は 204,000,000円 になります。
小規模宅地等の特例は、土地330㎡までの相続評価が80%減になりますので、
本ケースの土地の場合は、
330㎡について 路線価510,000円/㎡×330㎡×(100-80)%=33,660,000円 ―①
330㎡超の部分 路線価510,000円/㎡×(400-330)㎡=35,700,000円 ―②
①+②=69,360,000円
従いまして 特例の効果は 相続評価▲134,640,000円 となります。
大きな効果ですね
【最後に】
相続した自宅を売却し、新居への引っ越しが完了するまで、相続開始日から1年はかかります。
税制度の適用に失敗することなく、ご自宅の買い替えを完了するのは、頭で考えるほど簡単ではありません。
どうぞ、安心して任せられる「実績ある仲介担当(会社ではなく営業担当)」を探してください。
ご縁があれば、弊社JRSにてご相談からスタートしてください。